空が灰色だから

空が灰色だから 1 (少年チャンピオン・コミックス)

空が灰色だから 1 (少年チャンピオン・コミックス)

まず一話を読んで「あーこれ買ったのは失敗だったかもしれんな」と思ったけれど、二話目以降で本領を発揮しだした感じ。
形式としては短編集で、特定の人物が続けて登場したりとかも今のところない。



話としてはギャグとシリアスとちょっといい話のどれかで、面白いのはこの三つのうち、最終的にどこへ転ぶのかわからない不安定な空気が作品中に漂っているところだ。
たとえばある話で高校三年の男が、片思いの後輩に声をかけられて、理想の女性像について熱く「女性の内臓とかエロいと思う」などと語ってるところはギャグなんだけど、その直後に後輩がトラックの前に飛び出した瞬間それまでの雰囲気が一変したりする。軽い気持ちでつぶやいた言葉があいての心を強くえぐったり、女子高生が同じクラスの女子の悪口を始めるんだけど、序々にその内容が異様なものになっていったりと、力を抜いて読むのが難しい。もちろんストレートにコメディをやっているだけの話もあるのだけれど、これは作者が何を意図して入れているのかよくわからない。ほのぼの萌えコメディを求める読者の需要に応えるためなのか、他の話との相乗効果を生み出すためなのか。


なにはともあれ、チャンピオンでチェックする漫画が二つに増えたのは喜ばしいことであり、問題は短編ゆえのネタ切れの可能性なのだけれど、
作者に期待。