小説「白夜行」を読んだ(ネタバレっす。)

完全なネタバレの感想になるわけだが、
読み終わったあと疑問が多く残る作品である。
気になったところを読み返すにはあまりにも膨大な量で、中々目当てのシーンが見つけられない。付箋は必須だ。


まず、美圭であるが、彼女のレイプは雪穂の意思だったのか、
それとも全く関係ない人間のものだったのか。
しかし美穂は力強く美圭を勇気付けており、(過去の経験もあって)
中々そうは考えられない。いや、だからこそということもありうるが・・・


また篠塚とのこともある。江利子があんなことになってしまったのは
もう間違いなく雪穂のせいとみて間違いないはずなのだが、
雪穂にとっての一番は亮司ではなかったのか?
しかし彼女は作中で亮司を太陽として語っていたから、
二番目くらいだったのかもしれない。


全くもって、この女は怪物だと思った。
ライトノベル等によく見られる”人気のあるサイコパスキャラ”よりも
群を抜いたえげつなさを持っており、怪物だと言う以外に表現のしようがない。


最後に彼は死ぬわけだが、その時彼女は人形のような表情になっている。
どんな時でも最大限の演技を心がけてきた彼女が、
そのような顔を警察の前でしてしまったというのは、やはりショックはあったのだろうか。


亮司がバレる原因も、子供に切り絵を渡したからというのも切ない。


どこまでも恐怖と悲哀の小説だった。
続編あるみたいだね。読むしかないね。