天地明察 感想

本屋大賞一位の本だというのにほとんど心動かされることもなかった。読了後の感覚が「猫を抱いて象と泳ぐ」に非常に似ている・・・・・。


主人公に対して悪意を持つ人間が徹底的にモブキャラにしかいない。主人公の周りにはたくさんの”いい人”がいて、彼らに差支えられることで、主人公は挫折から立ち直りハッピーエンドへと突き進んでく。なんかスケールがでかい。


その程度の感想しか出てこないのである。
歴史モノ小説ということを意識したからなのか、「このあと〜なことを晴海(主人公)はまだ知らない」という記述が多かったり、基本淡白に進んでいくので、何が起こっても歴史の教科書のできごとをただ眺めているといった感じで、まったく感情移入できなかった。


どうも俺は、主人公にはもっと苦労してほしいなあと思っているフシがある。




てゆーか何でここまで心動かされなかったかってアレだ。
グレッグ・イーガンの「万物理論」読んだばかりだからだ。
むこうは人間性からジェンダーまで幅広くディープでヘヴィーに取り扱っているのに対してこっちは話がすいすいと進んでいくし、主人公がベタ褒め状態なために抵抗がなさすぎて逆に違和感を覚えてしまったのかな。うーん、まー俺は「万物理論」の方がずっとおすすめです。ブックオフ行けば100円で買えるし。